2012年ロンドン五輪の後、エドワード・バーバーは日本を旅し、知人を介して弊社オゼキの工房を訪ねました。和紙と竹ひごを用いて生み出される岐阜提灯の伝統工芸に魅了された彼は、提灯の技法を生かしたモダンなオブジェの可能性を追求することになります。
試行錯誤の末、2年以上の歳月をかけた2015年秋、ロンドンデザインウィークで「HOTARU」を発表しました。
岐阜提灯の特徴である軽くて畳める特性を生かした大きなフォルムに、シャボン玉を二つ繋げ中央にくぼみを入れたデザインや海に浮かぶブイから連想したシンプルなデザインを掛け合わせ、組み合わせて設置すると大きなホタルのようだったことから名づけられました。
2019年秋には、東京・表参道にて、エドワード・バーバーが自分たちの手がけたプロダクトを発表し、「HOTARU」も紹介されました。東京での発表を機に、国内向けには、「えどほたる(EDOHOTARU)」として販売しています。
1969年にイギリスで生まれた、エドワード・バーバー(Edward Barber)と1969年生まれでオックスフォード出身のジェイ・オズガビー(Jay Osgerby)はロンドンのRoyal College of Artでともに建築とインテリアデザインを学びました。1996年に「Barber & Osgerby」という名前で共同のスタジオを設立。工業デザイン、家具・照明デザインから建築にいたるまで、幅広いプロジェクトを手掛けています。
2004年にジャーウッド・アブライド・アート・プライズを受賞し、2007年にロイヤル デザイナーズ フォー インダストリー(英国王室芸術協会)を受賞しました。2012年には、ロンドンオリンピックの聖火トーチを制作し、ロンドン地下鉄の150周年を記念する硬貨のデザインを手掛けています。2013年にはデザイン業界への貢献が認められ大英帝国勲章(OBE)を授与し、メゾン・エ・オブジェ(パリ)ではデザイン・オブ・ザ・イヤーに選出されています。
2022年に「HOTARU」コレクションは、イギリスでジョナサンヒンドル賞を受賞しています。